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ビルの空室対策|効果的なテナント募集方法とは

2020.02.29

ビルの空室対策|効果的なテナント募集方法とは

建物経営にとって空室対策はとても重要な問題の一つです。空室は家賃収入のロスに直結し経営リスクを高めるので、早く空室を埋めたいところですが、早ければ何でも良いと言うことではありません。後々のトラブルを避けるためにも優良なテナントに選んでもらうということも大切です。多くのビルオーナーはテナント募集を外部の不動産会社に相談をしているかと思いますが、きちんと意向を伝えておかないとオーナーの方針にマッチした相手が見つからず、また入居後も友好な関係を築けないと言うケースが発生し建物経営に悪影響を及ぼします。今回は事業用のテナント募集方法についてお伝えしたいと思います。

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建物の現状を把握し方針を固める

ミスマッチが発生しないためには不動産会社へ建物経営のコンセプトをしっかりと伝える必要があり、そのためには、建物方針を固めておく必要があります。そのためにも建物の現状や周辺の環境を把握し、どのような方向性で進めていくのか不動産オーナーが自分自身で確認しておくことが大切です。建物を把握する上で必要な内容は以下の通りです。

 

●築年数
一般的に築年数が経過した築古ビルは築浅ビルに比べて賃料が安くなります。広さが同じであれば、洗面廻りや通信設備・空調設備などの色々な設備は築浅ビルのほうが新しくなっていますので、改修などを行わなければ築古ビルは競争力が落ちていきます。

 

●立地
社会的に従業員満足度を高めることが求められており、事務所を探している会社経営者や総務責任者は、駅からのアクセスを重要視する傾向があります。あまりに駅から遠ければ、採用率や離職率が悪くなる可能性があるためです。また首都圏中心にある物件であれば、それだけ優位性が高くなります。今後はITの進歩によりテレワークやシェアオフィスが広がり、出勤が重視されない時代が来れば、立地による優位性は低くなるかもしれません。

 

●室内(専有部)の設備
室内は実際に最も活動する時間が多い空間になるので、デザインや設備は重要です。最近はレイアウトが自由に組める仕切りのないワンルームタイプに人気があるようです。加えて空調設備のグレードやメンテナンスが適切かどうか、また気密性が高いかどうかも、光熱費や快適性にも影響を及ぼすため、ポイントの一つになるようです。

 

●共有部の設備
エントランス・エレベーター・廊下・トイレ(室内にない場合)などが共有部になります。エントランスやエレベーターは各入居テナントにとっても会社の顔になる部分ですので、来客や打ち合わせの多いテナントや会社のイメージや印象を大切にする企業は重視する部分です。

 

以上のようなことから、物件の強みや弱みを把握することが大切です。またその強みや弱みとなっている項目は手をかければ強化(または改善・工夫)できることなのか、そのための予算はどれぐらいかかるのか、知識を集めてきちんと理解をしておくことが今後の方針を固めていく上で重要になります。

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テナントのニーズを把握しましょう

入居場所を探しているテナントがどのような目的を持って物件を探しているのか、ニーズを把握することがとても大切です。近年は雇用形態の多様化やITの進化により、人々の働き方に大きな変化が生じています。従業員の満足度やモチベーションを高めるという観点も物件探しの重要なポイントになってきています。

 

●賃料
賃料は固定費ですから、経営する立場としては極力抑えていきたいとことです。当然、常に選ぶ基準の上位に来る項目ですが、あきらめた項目の上位にもなっているという調査結果もあります。ですから賃料以外の例えば立地や室内のデザインといった重要条件の満足度が高ければ、予算をあげる企業が多いという傾向が見られます。

 

●面積とレイアウト
各個人のワーキングスペースが手狭なオフィスだと快適に働くことができません。スタッフ一人一人に十分なスペースがあることが求められます。築古の建物だとパーテーションが多く、都合の良いレイアウトが組めないため敬遠されることもあるようです。現在は仕切りのない1フロアーで、入居時にテナントが自由にレイアウトしやすい物件が選ばれやすいと言われています。

 

●通勤の便
通勤時間が「毎日楽しく働けている」と感じる確率に与える影響は大きく、45分を超えるとマイナスの影響が大きくなるといった調査報告もあり、通勤の便は引き続き重要度が高いと言えます。従業員満足度を高めるという意味でも重要なポイントです。

 

●ビルの安全性
コンプライアンスが重視される時代性から新耐震であること、旧耐震ビルであっても耐震補強等していることも選ぶ基準になっています。特に大手の有名企業であればあるほど、社会的な信用性を求められているため重視する傾向が強いようです。

 

●企業イメージ
企業に対して良いイメージを持ってもらうためには、オフィス環境というのも重要視されます。仕事で毎日を過ごす場所ですから安心・安全な環境で快適に活動できるというのは当然ですよね。またスタートアップ企業にとっては、各協力企業や取引先との密なミーティングが欠かせず、企業イメージにつながる内装を重視すると言われています。業種によっては建物が建っている土地のイメージも考慮し選んでいます。

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募集してもらう不動産会社を選ぶ

物件の現況と入居希望者のニーズを理解すると、テナント用の人物モデル(ペルソナ)を描きやすくなると思います。人物モデルが具体的になれば、入居者のメリットを訴求しやすくなり、この人物モデルにマッチしやすい募集の打ち出し方を表現できるようになります。

 

募集営業については、日常的に物件管理を依頼している会社へ依頼しているケースが多いかと思いますが、物件の方針や方向性を理解してもらえない場合や、集客が苦手な不動産会社の場合は、入居者募集に強いリーシングが得意な会社を改めて選ぶ方法もあります。募集方法も種類がたくさんあり、テナントの人物像に響きそうな方法はどれか、また不動産会社がどの募集方法に強いのかを判断しながらタッグを組む会社を選ぶと良いでしょう。

 

>>  参考までに不動産会社が良く利用する募集方法を記載いたします。

●ポータルサイト
インターネットの普及によりテナントが自ら物件情報を閲覧することが可能な時代になっています。若い入居希望者やスタートアップ企業の担当者はネットを活用し検索しているパターンが多いと言われています。デザイン志向の強い経営者はポータルサイト自体にこだわりがあり意匠性の高いサイトを閲覧する傾向が強いようです。ポータルサイトは画像がたくさん掲載できますので、なるべく多くの写真を掲載すると入居者がイメージしやすくなります。

 

●レインズ
国土交通大臣指定の財団法人不動産流通機構が運営している不動産業者専用の情報サイトです。不動産協会に加盟料を支払って登録された不動産会社しか閲覧することができません。不動産業界では最も知名度があるため、マッチングの可能性が高くなり短期間で契約が成立しやすいと言われています。

 

●看板募集
町の不動産屋さんや、物件の窓面・壁面などチラシを張って紹介する昔ながらの方法です。

 

●広告掲載
専門誌やフリーペーパー、新聞の折り込みチラシなどに掲載する方法です。掲載料やデザイン料といった費用がかかりますが、多くの人の目に触れる可能性があります。金額を確認し検討しましょう。

百年建築の空室対策

そこでおすすめしたいのはセイコーステラが提供する「百年建築」のビル管理です。空室対策は、物件を商品として捉え不動産会社任せにしません。物件を商品として捉え説明は不動産会社任せにせず自ら行います。入居希望者に判断材料として「周辺同等物件との比較表」「室内レイアウト案」「物件管理状況表」などを提示しご納得いただいた上でお申込ができるよう満足度を高めるサービスを行っています。

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適切なテナント募集活動を行いましょう

普段から市場の動向を把握し、ビルの状態と周辺環境の様子を見ながら、適切に賃料を設定し募集活動を行うことが大切です。調査機関や提供している募集賃料や成約賃料に関する指標を有効に使って適切な知識を深めておくと良いですね。ビル経営の方向性が明確になると、仲介業者の対応が方針にあったものかどうか判断しやすくなり仲介業者の言いなりになることも少なくなります。今回のコラムを空室対策にお役立ていただければ幸いです。