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中古ビル購入の際の注意点 家賃収入で安定的な利益を上げるためのポイント

2019.07.04

中古ビル購入の際の注意点 家賃収入で安定的な利益を上げるためのポイント

新築・中古に関わらす、商用ビルを購入し運営することのメリットの一つは、賃料収入が得られることです。入居者が契約を継続してくれれば、毎月の安定した収入を長期的に確保できます。近年では中古の値ごろ感のあるビルが多く、個人の投資家が節税対策として購入される方も増えてきているようです。しかし、建物の資産価値を保つには、定期的な調査や中長期的な修繕計画が欠かせませんし、金額の大きな投資になりますので、購入に際しては慎重に判断することが求められています。今回は中古ビルを購入する際の注意点と、安定的に利益を上げるためのポイントについてご紹介していきたいと思います。

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ビル購入のメリットとデメリット

●メリット
優良物件を手に入れることができると、安定した賃料収入が得られます。株取引・外国為替取引・先物投資取引などに比べて投資リスクが低く、価格が大きく変動することがないため安定的な投資と言われています。株の投資に比べて専門的な知識も不要で、一度経営が軌道にのれば長期間に渡り所得を得ることができます。自社ビルでなく第三者に賃貸しているテナントビルであれば、所有者の利用が制約されているという考えから、現金の評価額と比べて、固定資産税評価額は2~3割程度低く評価されるケースが多く、節税対策になると言われています。

ビル購入時に銀行ローンを利用する場合、通常は団体信用保険に加入しますので、ビルオーナーに不測の事態が起こり、ローンを返済できなくなっても残額は生命保険によって補填され、残された家族にとって確実な収入源となり安心度も高いと言えます。

 

●デメリット
テナントビルは、表面利回りが高い傾向にありますが、一棟の中で一部屋でも空室がでると、途端に利回りが悪くなり、ビル経営に悪影響を及ぼすことがあります。住居用マンションは、景気が悪くなっても転居する可能性は低いですが、テナントビルは景気に左右される場合が多く、テナントの撤退や移転により収益性が落ちてしまいます。都心部の環境の良い物件でも、不景気のあおりを受けて複数のテナントが次々に退去してしまうことがあります。また立地が良くなければ、1年以上入居が決まらないというビルも少なくありません。お金が必要になった際に、預貯金・株券のようにはすぐに換金することができず、急いで売却をする際には相場より安く売らなければならないというリスクがあります。

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ビル購入に際してのチェックポイント

●利回り
支出に対する利益の割合を指します。投資額に対してリターン(収益)がどれぐらいあるかを把握する目安のことです。利回りには「表面利回り(グロス利回り)」と「実質利回り(ネット利回り)」という考え方があります。表面利回りは、年間の家賃収入を購入価格で割った利率です。維持管理費・修繕費などの保有に関わる実際の費用を計算に入れておらず、不動産仲介業者が満室状態で計算している場合もありますので、単純に高いから良いと考えないことが大切です。

そこで実際に発生する費用を考慮して計算する場合は「実質利回り」を使います。固定資産税・都市計画税などの税金や修繕費・管理費・火災保険料・支払利息(借入する場合)といったビル経営において毎年発生する維持諸経費は年間の家賃収入から差し引きます。一方、不動産取得税・登記印紙代・司法書士手数料・仲介手数料などといった購入時に発生する諸経費は、ビル購入価格に加算した後に、年間の家賃収入を購入価格で割った利率です。

表面利回りが高いほど融資を受けやすく、住居系では、5〜6%、事務所系では、6〜7%、テナント系では7〜8%が相場と言われていますが、ビルは立地や管理環境によって条件が大きく異なりますので、あくまでも目安として考えると良いでしょう。

 

 表面利回りの計算方法 

(年間家賃収入)÷(物件購入価格)

 実質利回りの計算方法 

{年間家賃収入-(管理費+税金+減価償却費)}÷{(物件購入価格+手数料+税金)}

 

●修繕計画に沿った修繕が行われているか

中長期の修繕計画書があるかどうかと、実施状況について確認するようにしましょう。実際に発生している費用と今後発生する費用を正確に把握することで購入後のビル経営の計画を行いやすくなります。中古ビルは建物の立地・竣工年・築年数・利用状況・修繕状況などにより、ビルの状態は様々で、同じ築年数でもほとんどダメージのない物件から、すぐにでも修繕が必要な物件もあり、専門家を交えてチェックを行うと良いでしょう。

 

●ビル管理が行き届いているか

清潔に保たれているビルは快適に活動ができ、入居者をはじめビル訪問者への印象が良くなります。入居者が長期に渡り入居し続けてくれる要因の一つです。管理や清掃がきちんと行われているか、確認すると良いでしょう。

 

●空室が出にくい物件かどうか

いくら利回りが良いからと言って空室が多く発生してしまっては、利益が出なくなってしまいます。利便性が良いかどうか、管理・メンテナンスがいきわたっているか、時代性にあった設備を装備しているかなどチェックすると良いでしょう。現在の賃料が適当であるか調べておくことも重要です。近隣の相場に比べて高額に設定をしているようであれば、いずれ賃料を下げて入居者を確保しなければならない可能性が高いと言えます。

 

●現入居者との賃貸借契約書の確認

原状回復義務・修繕義務・特約について内容を確認しておく必要があります。前賃貸人と賃借人の間で書面に残していない約束をしているケースも見受けられますので、購入後のトラブルをさけるためにも、共有部にテナントの私物や店舗の看板が置かれているなど、気になる点があれば確認を行いましょう。

 

●築年数

新しいビルに比べて、築年数が古いほど賃料が安くなる傾向があります。エントランス・エレベーター・室内のリノベーションや照明・エアコン・トイレなどの設備の更新がきちんと行われていない場合は、賃料は下がっていく一方です。適切な更新が進められておらず、建物の痛みが進んでいるようであれば、注意が必要です。

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百年建築のビル管理

築年数が20年以上経過している築古ビルを購入された際には、百年建築のビル管理がお勧めです。築古ビルを健全に運営していくためには将来に向けての準備が必要です。ビルのトラブルに対して場当たり的なケアをしているとビル全体の課題を把握しにくくなり、ある日問題が顕在化します。百年建築では築百年後までの改修計画を立案するため、資金が必要になるタイミングを予測することができます。情報を共有し将来に備えて準備をしておくことでビルオーナーの不安を解消。計画的に改修、修繕を行い入居率の低下を防止します。

 

百年建築構想では重要改修項目を①「屋上防水」 ②「外壁」 ③「屋外階段」 ④「エントランス」⑤「室内」 ⑥「耐震補強」 ⑦「給排水設備」 ⑧「衛生器具」⑨「空調設備」 ⑩「受変電設備」 ⑪「室内電気設備」 ⑫「エレベーター」の12項目に絞り込み、築百年先までを見据えた独自の改修計画表を作成しています。ビルオーナーが計画的に資金運用できるように不透明であった改修内容を明確化し、発生する費用を算出します。百年計画に基づき五年計画、一年計画を作成し収益計画や資金計画に反映します。

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優良物件を購入し健全なビル経営を

物件には良い点と悪い点があります。購入を検討する際にどこをポイントにするかによって判断も変わってくると思います。ビルをどのように経営していきたいのかコンセプトを明確にし、専門の知識を持っている不動産会社・不動産鑑定士にサポートや交渉してもらうことはもちろん、最終的には自己責任となりますので、自分の目で物件をリサーチすることも重要だと言えます。